【神戸市】祝!松永K三蔵先生 芥川賞受賞『バリ山行』六甲山で、こんな楽しみ方している人がいるのか…。身近な地名が数々登場しますよ♪
六甲山を舞台にした小説。『バリ山行』が芥川賞を受賞されました!!
著者の松永K三蔵(まつながけーさんぞう)先生は、関西学院大学卒で現在は西宮在住とのこと。絶対、書店では大々的に宣伝しているはず…と、「ブックファースト 六甲店」へ。すぐに目につくところに大々的にポップがありました♪
六甲の街並みをバックに一枚! 早速、帰って読書スタート♪
ちょこっと内容を紹介すると、転職した先で登山に誘われて、六甲山の超メジャールート、阪急芦屋川に集合して、高座川沿いからロックガーデン、風吹岩を経て雨ヶ峠。六甲山最高峰に登ることからお話はスタートします。
そのハイキングが好評につき、月に一度くらいで社内で登山部の真似事が始まります。六甲山系の山を中心に、金鳥山、再度山、摩耶山。そして、宝塚の中山連山、箕面の勝尾山南山…と、阪神間に住んでいる人間なら納得のハイキングの場所ですね。
そんな中、毎週のように六甲山に登りながら、通常の通常の登山道でない道を行く「バリ山行」をする仲間の存在を知ります。バリは、バリエーションルートの略。私自身、「バリ山行」という言葉自体、初めて知りました。
登山していると、時たま変わったルートから、人が現れることを目にすることがありましたが、あれが「バリ山行」を実践している人だったんですね。
主人公は、念願かなって「バリ山行」に同行させてもらえることに…。集合場所は、午前八時に、阪神御影駅ロータリー前! しかも、約束より遅れて出てきた場所は、大手牛丼屋さんとの描写…。松屋ですね(笑)
六甲山に登ったことのある人なら、ありあり情景が浮かぶシーンばかり。しかし、一般的な登山のような爽快な山からの景色などを楽しむというものではなく、道なき道を進んでいく、息が詰まるような藪漕ぎのシーン。
人生は、よく山登りに例えられますが、自分ではどうすることも出来ない会社で理不尽な方針、他人からの評価…。自分にとって人生で大切なことは何だろう…。本当に自分で選んだ道を進んでいるのだろうか…。読みながら、いろいろと考えさせられました。
社会人で、六甲山に登ったことのある方なら、本当に楽しめる小説だと思います。
著者名 著:松永K三蔵
発売日 :2024年07月29日
価格 定価:1,760円(本体1,600円)
ISBN:978-4-06-536960-9
判型 四六
ページ数:168ページ
初出:「群像」2024年3月号