【神戸市灘区】江戸時代にシーボルトが記録。1959年六甲山で再発見が確認された、咲く幻のアジサイ『七段花(シチダンカ)』に出会う♪
下界の紫陽花は見頃を迎えるなか、標高の高い六甲山では、紫陽花はまだこれからといった様子。
2025年6月22日、六甲山での自然観察のフィールドワークに参加。前を歩く人が立ち止まって撮影会が始まっていた。なんだろう? よく見ると、道のわきに咲いていたのは、少し変わった形の紫陽花のような花。
名前は「シチダンカ」っていうらしい。
口頭で「シチダンカ」と聞きとるまでに「ひちだん?」「いちだん?」と、なかなかピンと来ません…。
「七段花」その名の通り、花が階段状に重なり合い、“七段”に咲いているようにも見えることから名付けられたと解説してもらい、ほぉ~!! 漢字だとわかりやすい♪
1・2・3…。確かに数えると7段のような気がする…。
この「七段花(シチダンカ)」は、江戸時代の植物学者・シーボルトが著した『日本植物誌』に記載されていたものの、その後、誰も実物を見ることができず“幻の花”とされていたものが、1959年、六甲山系で奇跡的に再発見された紫陽花らしいのです!!
ここまで聞いて、遅ればせながらみんなが写真を撮っていた意味がわかった(笑)
紫陽花の花色は、土壌の酸性度によって変化するらしいのですが、六甲山の地質は、花崗岩の影響で酸性が強い。だから、六甲山は、美しい青色の紫陽花が見られる場所としても有名なんだそう。ちなみに、酸性の土壌では青色・アルカリ性ではピンク色に発色。
今回出会った「七段花(シチダンカ)」は、なんと青とピンクが同居! 八重咲きのがく片が重なり合い、星に見える♪
調べると、六甲高山植物園・神戸市立植物園では、園内に植えてあるので見ることができるそうです。幻の紫陽花! ご興味のある方はいかがでしょうか?
アジサイは、中央の小さな両性花と、周囲を彩る装飾花の2種類で構成。私たちが花として見ている部分は、がく片が大きく発達した装飾花。
シチダンカは、両性花を持たず、装飾花だけで咲く特異な品種。両性花がないため、種をつけず自然繁殖が不可。そのため、さし木でしか増やすことが出来ない。